
TĔLOPLAN PRODUCT STORIES:
Reframing Tradition
伝統的なディテールやモチーフを、そのまま引用するのではなく、現代のワードローブへと置き換えていく。
TĔLOPLANの Autumn / Winter 2026 Collectionでは、中国の伝統文化から着想を得たディテールを、ニットという素材を通して再構築しました。
今回紹介するのは、異なるアプローチで身体のラインと向き合った2つのトップス。
立体的な編み地とアイレットで肌の見え方をデザインした Arlo Topと、チャイナトップスの意匠をシャープなニットのフォルムへと落とし込んだEzra China Top。
どちらも、伝統的な要素を取り入れながら、現代的なシルエットと着心地へと変換しています。
Arlo Top
一見するとストライプのように見える透かし編み。
その中に、ダーツのように走る表編みのデザインラインを組み合わせることで、ニットでありながら身体を立体的に見せる構造をつくっています。
バストからボディラインに沿って配置されたラインは、単に身体の形を強調するためのものではなく、編み地そのものによってシルエットを構築するためのディテール。
異なる密度の編み地を切り替えることで、軽やかな透け感の中にも奥行きを生み出しています。
さらに特徴的なのが、サイドに配されたアイレット。
コード状の糸を使い、大きさの異なるアイレットを連ねることで、肌を部分的に覗かせながら、ボディラインに沿って軽やかなリズムをつくっています。
肌の見え方に変化を持たせることで、センシュアルなディテールでありながら、すっきりとした印象に仕上げました。
Arlo Topのもうひとつの着想源となったのが、中国の伝統的な切り絵“剪纸”です。
剪纸は、紙を切り抜いて模様や図柄をつくる中国の伝統的な民間芸術。
左右対称の幾何学模様や植物、動物など、さまざまなモチーフが用いられ、祝福や幸福への願いを表すものとして、祭事や日常の装飾にも用いられてきました。
「福」や「双喜」といった文字、牡丹や蓮、梅などの植物、鳥や蝶など、そのモチーフにはそれぞれ異なる意味が込められています。
Arlo Topの袖には、この剪纸から着想を得たメッシュ状の透かし編みと、蘭の花のモチーフを組み合わせました。
蘭は中国文化において、品格や高潔さを象徴する植物のひとつ。
紙を切り抜くことで生まれる「線」と「余白」の関係を、ニットの編み地へと置き換えることで、伝統的なモチーフを現代的なテクスチャーとして再構築しています。
紙を切ることで生まれる空間。
糸を編むことで生まれる空間。
異なる技法でありながら、どちらも「残す部分」と「抜く部分」の組み合わせによって形をつくるものです。
Arlo Topでは、その共通点を身体の上へと移し替えています。
Ezra China Top
チャイナトップスに見られる伝統的な襟元のディテールをベースにしたニットトップス。
身体に沿うコンパクトなシルエットでありながら、ニットならではのストレッチ性を持たせることで、シャープな見た目と快適な着心地を両立しています。
フォーマルな印象を持つチャイナトップスのディテールを、伸縮性のあるニットへと置き換えることで、かしこまりすぎない新しいバランスへ。
素材には16Gの極細ナイロン混糸を使用。
細い糸を高密度に編み立てることで生まれる、しゃりっとした清涼感のある表情が特徴です。
繊細で軽やかな編み地だからこそ、身体に沿うシルエットでありながら、重たく見えません。
胸元には流れるようなドレープをつくり、そこから斜めに走るデザインラインへとつなげることで、シャープな印象を引き立てています。
直線的なラインと柔らかなドレープ。
身体を包み込むニットの伸縮性と、輪郭を引き締める構築的なデザイン。
相反する要素をひとつのトップスの中で組み合わせることで、伝統的なチャイナトップスとは異なる表情をつくり出しています。
Arlo TopとEzra China Top。
ひとつは剪纸から「線と余白」を、もうひとつはチャイナトップスから「襟元と身体を引き締める構造」を取り入れています。
共通しているのは、伝統的なモチーフをそのまま再現するのではなく、ニットの技術によって現代の身体へと置き換えていること。
透かし編み、アイレット、ドレープ、斜めのデザインライン。
異なる技法によってつくられたそれぞれの線が、身体の上で新しいシルエットを描きます。
伝統を過去のものとして扱うのではなく、素材と技術を変えることで、今のスタイルへと更新していく。
TĔLOPLANが考える「伝統の再構築」は、そんな静かな変化から始まっています。